パワーナップとは?
パワーナップとは「積極的仮眠」、つまりは昼寝です。
日中に15~30分程度の仮眠を取ることで睡眠の効果を最大化(パワーアップ)するとして、社会心理学者ジェームス・マース氏によって作られた言葉です。
眠気を我慢して集中力を欠いた状態で作業し続けるよりも、短時間仮眠を取ることで集中力と生産性が上がると注目されています。
昼寝は、夜の睡眠の3倍ほどの効果があるともいわれています。
睡眠の深さにはステージが4段階あり、昼寝はステージ2の状態で脳内メモリがリセットされ、蓄積されたあらゆる情報が整理されて優先順位がつけられることがわかっています。
つまり、昼寝はワーキングメモリの強化につながります。
オフィスでの生産性アップに効果的
眠さを我慢しながら仕事を続けると、生産性が落ち、ミスも増えるために余計な仕事を増やすことにもなりかねません。
例えば1時間で終わる仕事を眠い状態でこなし、効率悪く1時間30分かかってしまったなんてことはありませんか?そこに仮にミスが加わりプラス30分間の修正が加われば、本来1時間で終わる仕事は2倍の2時間かかってしまうことになります。
20分の昼寝をして頭がスッキリし、集中力も高まった状態で同じ仕事を50分でこなせたとしたら、昼寝の時間を加えても合計1時間10分で仕事は完了できることになります。
眠い作業効率の悪い状態で働くより、昼寝して作業効率の良い状態で働く方が、トータルの作業時間は短縮できるのです。
NASAで行われた研究結果
NASA(アメリカ航空宇宙局)でパワーナップの効果について実験をおこなわれ、パイロットに26分間のパワーナップを取らせたところ、認知能力が34%、注意力が54%も向上したそうです。「パワーナップは効果的である」ということが科学的にも明らかになっています。
パワーナップの効果的な実践方法と注意点
では、パワーナップの効果的な実践方法を紹介します。
パワーナップで重要なことは2つ、①仮眠を取る時間帯、②仮眠を取る時間の長さです。
①場所・姿勢
どこでも構いませんが、深く眠りすぎないため布団に入るなどはおすすめしません。イスに座って寝る体勢がオススメです。
②環境
雑音が入らないほうが眠りやすいため、耳栓をすると良いでしょう。その場合、目覚ましのアラーム音も聞こえなくなるので、バイブなどを活用するとよいでしょう。スマートフォンで静かな環境音楽などを聞きながら眠るのもよいと思います。
③タイミング
昼食後の午後に眠くなるタイミングがベストです。ただし、遅い時間に眠ってしまうと夜の睡眠に影響を与えてしまうので、パワーナップは16時までに取りましょう。
④15〜20分で起きる
必ずアラームをかけましょう。30分以上寝てしまうとノンレム睡眠のステージ3以降に入る場合があり、目覚めがつらく、起きても頭が回らなくなってしまいます。
パワーナップを実践すると、その後の仕事はとにかくはかどります。
昔は「昼寝=サボり」的なイメージがありましたが、今ではGoogle、Apple、Microsoft、NIKEなどの世界的企業では、オフィスに仮眠スペースを設けるなどして、積極的に昼寝を推奨しています。
会社でもパワーナップを推奨する文化を作り、ぜひ取り入れてみてください。